住まいの大敵!「木材腐朽菌」「シロアリ」から家を守るために。

高温多湿の日本で、住まいの耐久性に大きな影響をもたらすのが、腐朽菌やシロアリによる被害です。木造住宅における腐朽菌やシロアリによる被害の総額は、全体でみると火災による被害を超えると言われており、住まいの災害として深刻なものといえます。見えないところで進行することも多く、日ごろの住まい方や被害の早期発見が大切です。

木材腐朽菌

木材腐朽菌とは、木材を腐らせる菌のことです。木材に含まれているセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどを分解して発育します。繁殖すればするほど木材は腐り、住まいの強度が低下してしまいます。

木材腐朽菌は「水分」「温度」「空気」「栄養分」の4つの条件がそろうと繁殖します。

湿度80%以上、温度10℃以上の高温多湿の環境を好み、木材に含まれる栄養分を分解して発育します。この4つの要素のうち、温度や空気、栄養分はコントロールが難しく、なくすことはできません。そのため、腐朽菌対策としては水分(湿気)の管理が大切ということになります。

被害を受けやすい場所

湿気が多くジメジメした場所や、継続して結露が起きている箇所では腐朽菌が発育しやすく、特に注意が必要です。重点的に掃除、点検するようにしましょう。また、木部の腐朽の点検や補修は、施工店もしくは専門の業者に依頼して下さい。

●バスルーム、洗面所、キッチンなどの水まわり

湿度が高くなるうえ、北側に面することが多く、腐朽菌が発育しやすい条件がそろっています。日ごろから、水がかかるところや給水管のまわりなどに注意しましょう。

●屋根または開口部周辺

雨漏りしている部分に注意が必要です。日が当たりにくい場所で腐朽菌は発育しやすくなります。

●土台

最も地盤面に近いところにある木材なので、それだけ湿気の影響を受けやすくなります。定期的に点検し、10~15年を経過した時点で、防腐処理などをし直すことも必要です。

●壁などのモルタル下地

モルタル壁などに亀裂があると、そこから雨水が浸入し、下地板を普及させる恐れがあるので気を付けましょう。

●雨どい付近

雨どいからあふれた水や、破損箇所からの漏水によって、腐朽の危険があります。特に、モルタル壁に亀裂があると、そこから雨水が浸入し、下地板を腐朽させますので注意しましょう。

※その他、開口部周辺などの結露の生じやすいところは、腐朽の危険があるので注意しましょう。

●結露水や設備の漏水などの生じる場所

窓まわりなど、継続して濡れている場所は特に注意が必要です。

シロアリ

住まいに被害を与えるシロアリには、主としてヤマトシロアリとイエシロアリの2種類があり、いずれも湿った木材を好みます。

イエシロアリは自分で水分を運ぶことができ、被害が小屋裏にまで及びます。また、日光や外敵を避けるため、木材の外側を薄く残して食べていくので、内部が完全に空洞になっても、外から見ただけでは分かりません。

シロアリ被害の実例

被害を受けやすい場所

●木材が腐朽すると、菌によって分解された成分の中に、シロアリを誘引する物質が多くなるため、シロアリの被害を受ける可能性が高くなります。

●シロアリは、湿気が多く、比較的暖かいところを好みます。床下や水まわり周辺にカンナ屑や木片を残さないようにしましょう。

シロアリの発見方法

●シロアリは、なかなか発見が難しいものです。4~7月にかけて羽アリを見つけたら要注意です。(沖縄県では2月頃から)

●近所でシロアリが発生した時は要注意です。

●シロアリは光や乾燥を嫌い、自分の排泄物や土砂で蟻道を作って建物内に侵入します。床下の基礎内部表面などに、地盤面から泥で固めたような道がある場合は、シロアリがいると考えられます。

●床下の木材、地上の柱や梁などの木材を、木槌などでたたいてみましょう。空洞音がする場合は、木の内側をシロアリに喰われて空洞化している恐れがあります。

床下の点検方法

自宅の床下点検口がどこにあるか、確認しておきましょう。通常は床下収納庫や、和室の畳の下などにあります。

●汚れてもよい服装で点検します。懐中電灯、軍手、マスク、記録用のカメラなどを用意します。床下に入るときはヘルメットを着用します。

●狭い部分に体が挟まらないように注意しながら、ゆっくり慎重に床下へ入りましょう。点検には危険が伴う場合もあるので、無理はしないようにしましょう。 シロアリの駆除を完全に行うには、専門技術が必要です。施工店へご相談ください

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